Rei "COCOA" (Official Music Video)
YoutubeのTOPページをながめていると、ギターのサムネイル(僕の大好きなジャズマスター!)が気になったので思わずクリックしました。
PVがはじまると、すぐそこで弾いているかのような生々しいギターサウンドが耳に突き刺さりました。まさか、これをこんなかわいらしい女の子が弾いてるわけ無いだろうと思ってライブ映像を見ると、なんと本人が弾いてるし、さらに歌いながら弾いているじゃありませんか!
Rei - Live @ スペースシャワー列伝 第130巻~桃源洞裡の宴~
この説得力の強さにすぐにハマりました。なんでも斜に構えて音楽を見てしまうひねくれた自分の性格を直したい。
Reiの弾くギターは自分の歌いたいように好きに歌う。そんなギターです。イナタさや土臭さ、ブルース(ブルーズ)、サバイバルな雰囲気を感じ取れます。ブレを楽しむというか、味があります。
女性ギタリストは、うまい系だとどうしてもメタルやフージョンなどのどれだけ正確に弾けるかの技術バリバリ系な人が目立ちがちですがReiのように生きているギターを弾く人は個人的に初めてで、ドンピシャに好きです。
特に注目したいのは、荒々しく突き抜けた音作り。他のギタリストと一線を画していると思う部分で、最高にかっこいいです。上のライブ映像なんか、リッケンのホロウボディ感がとても良くでているしとてつもない。
アコースティックギターを弾いて歌っても、空気感を感じられるとても気持ちのいい仕上がり。ライブではエレキのようにガンガン弾いていますが。幅広いです、ほんとに。ギターのキャラクターをつかんだ音作りがうまいなぁと。
そんなギターとは裏腹に、CDに収録されている楽曲は電子ドラムなど打ち込みサウンドが混じっていたり、若い子もとっつきやすい現代的でクリアな音の仕上がり。
Rei "JUMP" (Official Music Video)
PVをみてもわかるように、ビビッドでポップなアートディレクションが展開されています。Rei本人がPVのコンテを書いたりしているようです。
この土臭いギターとハイファッションさを組み合わせたハイブリッドさが魅力的ですね。
ジャケットも非常にかっこいい。CDよりも一回り大きなサイズで部屋に飾りたくなります。
こういうブルージーでファンクなギターをおっさんが弾くとついつい若者への押しつけになりがちなのですが、Reiのような若い女の子がやることに意義があってハッとさせられるのでした。
アルバム3部作
BLU
ペトロールズの長岡 亮介さんがプロデュースしたアルバムで「BLACK BANANA」や「my mama」などブルーズやカントリー色が強い。打ち込み曲もありますが、まだキャラクターは薄めで、「女の子がとてつもないブルーズを弾いて歌ってる」という印象が強いです。背面ジャケットのギターはフェンダーDuo Sonic。ムスタング系のペラペラした音がおもしろい。
UNO
Reiというキャラクターが前面に出てていることが感じられるアルバム。ポップでキャッチーでありつつもReiらしいギターがよくわかる「JUMP」。シンプルにぐさっと刺さる曲が多いです。打ち込みサウンドが入っていて、ハイブリッド感が強く、若い人にもターゲットが向いた印象。英語と日本語の混じった歌詞も耳に残るワードが散りばめられていてうまい。ジャケット背面のギターは自信で青色を塗った、ホロウボディのリッケンバッカー「330」。
ORB
トリロジー最終作。UNOと比べると、少し落ち着いた、角の取れた、大人びた雰囲気を感じるアルバム。しかし、ハイファッションでファンキーな「COCOA」や遊び心のある歌詞の「Oo-Long-Cha」、ロカビリー全開の「Route246」、ヨーロッパの素朴な街中の情景が浮かぶようなクラシック曲「Polpetta」など様々なジャンルを網羅したカラフルな一枚。各曲、ギターのキャラクターがとても良く出ていて、ギター好きにはたまらないサウンドになっているのではないでしょうか。ジャケット背面のギターはピンクのジャズマスター。このギターについてはこの記事で少し考察しました。
これからがかなり楽しみなアーティストのひとりです。