さよなら絶望先生の漫画を大人買いしまして、一ヶ月ほど前にようやく読み終えました。
全30巻とのことで、すぐ読めるかなと思ってましたが、文字が多いので一巻読み終えるのに時間がかかりました。
ネタのことを考えるとやはりあれだけの文字は必要だと思いますが、週刊であの濃密さを連載してたと思うと久米田さんのすごさが伝わってきます。
30巻全部読むのが面倒!という人は28巻あたりから読めば話の本筋・結末はわかるのですが、やはりどれだけキャラクターに愛着を持っているかで絶望先生のエンディングの感動は大きく変わります。
アニメを見てハマった人であれば、漫画を全巻買っても後悔しないと思います。
アニメでは読ませる気のなかった文字の風刺ネタ、ブラックジョークをじっくり味わえますので。
以下、まとまらない文章ですが、ネタバレを含みますのでアニメしか見てないって人は閲覧ご注意。
感想
29巻から徐々に意味深な終わり方の回がでてきます。
286話の数年後のシーンが最終回とリンクしてたり(衣装から見て)、289話のメルメルが言葉を発するシーンなど。そして290話、あびるの眼帯の件で急展開を見せます。いつもならギャグで収まるところが、影武者が出てきたりと次の回へ続いていく感じが不気味です。ずっとギャグ漫画として見てたから余計に奇妙感がすごかったですね。
特に298話で戒名を呼ばれるシーン、机にお供え物が並べられているシーンは鳥肌モノでした。その次の回で交がでてきてほんとにホッとしましたよ。
最終3話+30X話、感情の揺れ具合がすごいです。
久米田さんも紙ブログで書かれてますが、最後は躁鬱の繰り返し、4つの停留所でどこで降りても構いませんと。これもまた読者の好きに選べばせるのがよいですね。
30X話は宗教じみていて怖いので自分の中では花嫁カフカの最終話を終わりとして見ました。みんながカフカを忘れていくけどトロイメライを歌い出すシーンも泣けてきます。あれだけ不気味でネタみたいな歌詞に感動させられるとは。
最終回の感動をどこにぶつけていいのやらで、紙ブログを読んで気持ちを落ち着けて(作者のちょっとした解説があってよかった)、さらに表紙折り返しの「あとがき」でまたグッと来て、最後の最後、どうでもいいですが、表紙裏をめくるとおなじみ「開けないでよ!」があって、そちらにも少しホッとしたというか救われた感じがしました。
Amazonで書かれていたレビューのタイトルにすべてが詰まっている気がします。
「あまりにもあまりにも、哀しくて、美しい結末。」
ほんとに、これにつきます。
ハッピーエンドとも言いがたいですし、バッドエンドでもない。哀しくて、美しい。
正直カフカは絶望少女の中で一番やなキャラだと思ってましたが、最後の最後で、あんなことになるなんて。
最終巻読んでからはカフカの希望にあふれたセリフは見方が180度かわります。
アニメを見なおした時も、カフカの声を聞くだけでなんだか泣けてきました。
謎に思った点
まず状況整理のため流れを図にしたかったので作ってみました。
(わりと作ってみたかっただけです。すいません、すみません)
謎だった点は何点かあるのですが、絶望少女達の家族の件が気になります。
一緒に暮らしていたのは生きたかった子の家族なのか、自殺未遂した子の家族なのか。
・今週の絶望先生、ネタバレ 今週の絶望先生を読んだのですが、自殺未遂の... - Yahoo!知恵袋
・ニコニコ大百科: 「さよなら絶望先生」について語るスレ 541番目から30個の書き込み - ニコニコ大百科
話は変わるが、絶望少女たちがいっしょに暮らしてた「家族」って、彼女たちが供養してた「霊」の方の家族…だよね?
だとしたらさ、最後泣いてためるめるパパはもちろん、きった姉やあびるパパ、大草さんの旦那とか、どんな気持ちで一緒に暮らしてたのかな?
こう考えると、元の家族の方はどうなってるの?と疑問が。ほったらかし…?
幼少期の千里と晴美の話もあったりするので、謎は深まるばかりです。
ほかにも、
・依代としての人格はどちらのものになるのか。
・依代として生活していることを自覚していたのか。仕事としてやっていた?生徒同士でそれを知っていたのか?
・望は自分の仕事の内容をいつから知っていたのか。卒業証書を受け取った時?
・あびるは幼いころ角膜移植をしたとのことで、カフカが亡くなったタイミングがわからない。それぞれ幼少期に移植をされ、自殺未遂をしたのが高校生になってから?
そうだった場合、移植されたらポジティブ遺伝子があるので自殺はしないだろうし…。と、読み返すと「幼いころ事故に遭い高校入学前に移植をうけました」と言っておりました!なるほど、移植したのは高校入学前なのですね。
ここらへんはあまりつっこまないほうが楽しめるのかもしれませんが、久米田さんが設定を細かく作っていたとすれば知りたいです。
アニメ さよなら絶望先生のOPを見返す
・風浦可符香の心の「躁と鬱」を「獄・絶望先生 下」のOPに見る。 - たまごまごごはん
OP考察。この記事はアニメ3期が決まる前に書かれているのが驚きです…。
2期のグロテスクな臓器の映像はものすごい伏線だったのですね。
俗.絕望先生 1st OP - 空想ルンバ - YouTube
OVAのイヌカレーによるOPも、空から降ってくるまといを望が抱きしめた時に顔が絶望少女達にかわったり、絶望少女達の顔がすべてカフカになったり。久米田さん、ここまで仕込んでいたのか…。
最終回見終えた後もう一度OP見直すと、うわー…と衝撃を受けます。
ちなみに、カフカを演じていた声優の野中藍さんが、シャフトのアニメ魔法少女まどか☆マギカで杏子を演じているのも赤木杏の「杏」つながりでねらったのでしょうか。
面白かった感想・考察
まとめから何点か読んでみました。
さよなら絶望先生 考察・感想・情報サイトまとめ【マンガ/アニメ】 - NAVER まとめ
各話をダイジェストでまとめている感じでした。もう一度話を整理するのによしです。リアルタイムで読んでいた人の感覚が伝わってきて面白いです。
・わかば色のルーフトップ|風浦可符香と終盤の展開についての私見 (最終巻発売記念)
論文のように、理論建てての考察。
長文でボリューム満点なので、じっくりと考えながら読み進めていきました。
もやもやを解消してくれた気がします。
霊のカフカ、誰かが代わりをしていたカフカという視点で読んでみるのも面白そう。
追記の「絶望先生はあくまで全員を救おうとした」に共感します。
・今週の絶望先生 第301話 ついに最終回!! » 絶望のほとりに一輪の華
最後のセリフの解釈が「ちょっと意地悪チックに言った」と、これもいいなと思います。
これはもうアニメ4期やるしかないでしょう。お願いしますシャフトさん。
その際には絶望放送の復活もお願いします。最終回が終わってからのおふた方の感想を聞いてみたい。今更感はすごいですが。
いや、漫画だけでとどめておくのもいいかなと少し思ったり。
さよなら絶望先生 コミック 全30巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
- 作者: 久米田康治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/08/31
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る