イベントからずいぶん日が立ってしまいました。
アクセシビリティの祭典 2019に参加した感想です。
アクセシビリティはたくさんの人に恩恵がある
生きていると、なにかと「少し苦手なこと」がたくさんあります。
そういうことをサポートしてくれるのもアクセシビリティの良さだと思います。
例えば、アクセシビリティの祭典で常時使われていた「UDトーク」。リアルタイムで音声を文字に書き起こしてくれるアプリです。
文字起こしは、耳が聞こえない人へのサポートになることはもちろん、健常者でも聞き逃したり、うまく聞き取れなかったときに文字で見返すことができる利点があります。
僕自身、聞き取りが苦手なほうで電話が辛かったりするのですが、常に文字起こしをしてくれていればとても安心です。事務所電話にこの機能ついてほしい。
・UDトーク | コミュニケーション支援・会話の見える化アプリ
アクセシビリティを知る機会がないのかもしれない
Web制作を仕事にしている人でもアクセシビリティを知っている人は多くはないかもしれません。
Web制作への入り口となる教本の多くが「HTMLとCSSを書いて表示できるようにする」ことに主力をおいていると思います。そのほうが仕事で即戦力になるし、本を買うユーザーの多くのニーズはそこにあると思います。
HTMLという言語がどういう思想で作られているのかはページの都合で弾かれてしまったのかもしれません。
なので悪気があってアクセシビリティを無視しているのではなく、単純に、知る機会がなかったのではないでしょうか。
僕も数年前までアクセシビリティについてよく知りませんでした(一応、昔にWeb標準の教科書を読んだけど、なんじゃこりゃと思ってたぐらいです)。
制作者でもまだまだアクセシビリティの存在を知らない人はたくさんいると思うので、アクセシビリティの祭典のようなイベントは続いてほしいし、Web制作者の自分がネット上に、わずかながらでも声をあげていきたい。
アクセシビリティをどうやって社内に広めるか
以前WP ZOOM UPというオンラインセミナーで伊原さんが以下の様なことをおっしゃっておられました。
当事者がどうつかっているかを見てもらう。これにまさるインパクトはない。最強の手段。当事者と会う、足を動かすことが必要。出会うべき。
まさにその通りで、今回は祭典に会社メンバー総出で行ったのですが、効果は絶大だったと思います。日頃、社内で何かにつけて「アクセシビリティが…」と言い続けた甲斐があったと思います。
アクセシビリティの祭典では、当事者がWebを使う様子の映像がたくさんあり、いい刺激になりました。使う人を意識すると制作のクオリティはあがるはず。
イベントに出れず、当事者に会う機会がない、とか、どんな人がWebを利用しているのか想像がつかない、という人もいるかと思います。
今回登壇されていた土屋さんの作ったインクルーシブなペルソナ拡張が役立つと思います。
まずはいろんな状況の人がいることを知ることが大事。
そして、登壇者の方々からも声が上がっていた、法の整備。これもとても重要なことと思います。
まずはできるところからアクセシブルに
アクセシブルなものを作るためにはUDトークのように卓越した技術力が必要なものあります。
しかし、画像の代替テキストの入力のように、ひと手間加えるだけで使える人を増やすことができるものもあります。知っているか、知らないか、その差異だけで解決できるレベルのものもあるのです。
最後に
自分がいつ耳が聞こえなくなったり、目が見えなくなったり、怪我や病気でで体を動かせなくなったりするのかはわかりません。それは周りの友人や、家族についても同じことです。そうなったときに情報にたどり着くことが難なくできるのか?Web制作者として常にそういう意識をもっておきたいものです。
デザイニングWebアクセシビリティ - アクセシブルな設計やコンテンツ制作のアプローチ
- 作者: 太田良典,伊原力也
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