「UXデザインをはじめる本」読みました。感想などです。
UXは実は幅広い
まずはじめに、UX(ユーザー・エクスペリエンス)とはユーザー体験のことです。
つまりユーザー体験をデザインしよう、という内容の書籍です。
UXはUI(ユーザー・インターフェース)を通して得る体験として語られることが多いですが、実はそれはUXにおいての一部でしかありません。UIについてのユーザー体験を語られる場合は「UI/UX」として表記されることが多いです。
UXは
- 利用前
- 利用中
- 利用後
に分けられます。また「利用全体」を通した累積的なUXというものも存在します。
例えば新しいiPhoneが発売されて「買おうかなどうしようかな、サイトでも除いてみようかな」と、何かを思いついたときにはもうユーザー体験は始まっています。
UXについては以下のスライドが分かりやすいと思います。
UXをデザインするための方法
UXをデザインするために具体的にどんなことを行うのか。
- ユーザビリティ評価
- プロトタイピング設計
- 簡易ペルソナとシナリオ
- ユーザー調査
- カスタマージャーニーマップ
- 共感ペルソナ
ユーザーを知るためにはこれだけ多様な方法があります。
これらのUXをデザインするための方法で良いと思ったのは、その時々で思ったちょっとした事さえも付箋にメモしたり思考を「見える」ようにすること。そうすることで今まで気づかなかった視点を発見できるかもしれません。
「UXデザインをはじめる本」ではこれらの手法を導入するにあたっての難易度や、大規模で行う場合、小規模で行う場合なども解説されているのがうれしいです。
上記にあげた「ユーザビリティ評価」については
書籍「超明快 Webユーザビリティ ―ユーザーに考えさせないデザインの法則」でも言及されてるので気になる方はぜひ読んでみて下さい。
超明快 Webユーザビリティ ―ユーザーに「考えさせない」デザインの法則
- 作者: スティーブ・クルーグ,福田篤人
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2016/06/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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やる気スイッチを押す
この本で一番好きな部分がこれです。
「ユーザー無知の知」に出会い体験すると、さまざまな感情的なスイッチが入り頭が回るようになります。
参照:UXデザインをはじめる本 P22より
つまりユーザーの事をこんなにもわかっていなかったのか!と気付くことで、やらなければいけないことが脳内から湧き出てきます。それは仕事のチャンスでもありますよね。
「UXデザインをはじめる本」はそのスイッチを押す方法を提案してくれる本です。上記に上げた様々なユーザー分析を行うことできっとスイッチが入るはず。
さいごに
「UXデザインをはじめる本」は、わかりやすい図解、とっつきやすいペルソナ、丸みのあるフォントも親しみやすさがあり読みやすかったです。また、実際に作業している風景の写真が載っていたのも実感があって良かったです。
本書を読むまではUXデザインのことを「なんか雰囲気でいい感じにすること」とか「UIのアニメーションなどでユーザーへのフィードバックを追求すること」と思っていましたが、本当はもっと広範囲なもので具体的で理論的で、やる価値のあるものだと感じました。
UXに興味を持っている方はもちろん、UXを不審に思っている人を説得するために使うのもよしです。UXマニアになってしまわないようにUXデザインをどうやって業務に取り入れていけばいいのかについてもぶっちゃけて書かれていて面白かったです。
Web制作者のためのUXデザインをはじめる本 ユーザビリティ評価からカスタマージャーニーマップまで
- 作者: 玉飼真一,村上竜介,佐藤哲,太田文明,常盤晋作,株式会社アイ・エム・ジェイ
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2016/11/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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