続・インタフェースデザインの心理学読みました

「インタフェースデザインの心理学」を買おうと思って本屋に行ったのですが、「続」がでていたのでなんとなく新しい方を買いました。

内容は11章100項目に分けられていて、一つ一つが2～3ページで構成されています。ぱっと見、堅苦しくて読むのが辛いかと思いましたが、ほとんどが自分の生活に関わるありふれた内容なのでスッと入ってきました。文字もそれほど多くないし、気になった部分を空いた時間にちょっとづつ読む事ができるのがよかったです。

インタフェースデザインの心理学が面白いのは、人が無意識に行っている多くの事を言語化して解説してくれるところ。心理学の知識を頭に入れておくと、何かをデザインする時にきっと手助けになるはず。

脳科学や心理学の本を読んで、人間の脳や心の性質とかバイアスを知って、それらに合わせてある程度、できる範囲で自覚的に脳や心をコントロールする、というのは仕事にも多いに役に立つことだというのが最近思ってること
— Naoya Ito (@naoya_ito) 2016年11月3日

読み進めながら付箋をはっていたのですが、気がついたらほとんどのページに付けていたという…。それくらい中身の濃い一冊でした。

特に印象に残ってるのは記憶について。デザイン思考関係の本によくでてくる気がします。人の記憶は簡単に改変されてしまうし、人はミスをする生き物です。その前提を無視している人は多いんじゃないかと思います。デザインをする時に気をつけたい部分ですね。

面白かった内容の目次をピックアップしてみたので、ピンとくるものが多ければ読んでみると良いです。

1章人はどう見るか

001 人は曲線を好む
002 人は左右対称を好む
005 周辺視野は危険を見て取り、感情に関わる情報を中心視野より素早く処理する

2章人はどう考え記憶するか

010 人は2種類の思考を使っている
011 記憶は容易に変わり得る

3章人はどう決めるか

016 複雑な決定をしなければならないときはフィーリングに従う
019 意思決定に対するストレスの驚くべき影響
020 人は特定の時期に意思決定する

4章人はどう情報を読み理解するか

023 読みにくい文章のほうが学習効果が上がる
024 動詞より名詞のほうが人を動かす
026 人はオンラインでは記事の6割しか読まない
028 読む行為で重要なのは紙の本での多感覚な体験

5章人は物語にどう影響されるか

032 物語に備わっている「注目を集める力」
036 ストーリーを変えると言動が変わる

6章人は他人や技術とどう関わり合うか

037 感情は伝染する
038 人は動画広告を嫌う
044 携帯電話が近くにあると一対一の人間関係にマイナスの影響が
045 人は人間の特徴をある程度付与された機械を信頼する

7章創造性はデザインにどう影響するか

049 クリエイティブになるためには「デフォルト・モード・ネットワーク」を活性化させる
052 睡眠が創造性を高める
054 ある程度の制約があるほうがクリエイティブになれる
056 完璧主義がクリエイティブな活動を妨げることもある

8章人体はデザインにどう影響するか

057 人は脳だけでなく身体でも考え、感じる
060 親指の届く範囲
061 ユーザーと画面の距離は重要

9章人はものをどう選び買うか

063 現金払いだと使用金額が減る
065 人は認知的不協和が原因でものを買う
066 人は数字に影響される
067 オンラインショッピングは期待を高める

10章世代、地域、性別はデザインにどう影響するか

070 タスクが5分以内で済む場合、人はスマートフォンを使う
075 人が望む選択肢の数は加齢で減少
080 65歳以上では1億人近くの聴力に問題が
085 1歳児の1/3以上はタッチスクリーンが使える
086 幼児は笑っているときのほうが学ぶ

11章人はインタフェースやデバイスとどうやり取りするか

088 カルーセルは嫌われ者ではない
089 人はスクロールをする
093 選択肢は少なく
096 人は自分の脳でテクノロジーをコントロールできる