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模索段階の印象を受けたアルバム KIRINJI ネオ

KIRINJIのニューアルバム「ネオ」の感想です。

 

 

第一印象はベースが土台をずっしりと支える音作りでリズム・ノリを楽しむようなサウンド。前に出てくるシンセとタイトなドラムもデジタルな印象も受けます。CDがこの感じなので「ネオ」の曲がライブでどう演奏されるのかがとても楽しみです。

 

 


KIRINJI - The Great Journey feat. RHYMESTER

とにかく「The Great Journey」が強烈にカッコ良い。
しかし頭を空っぽにして聴けたのはこの曲だけで他がやけにあっさり感じました。(しばらく聴いてみて他曲でグッと来たのは「日々是観光」)


KIRINJIにはギタリストが3人もいるのに今回のアルバムではギターの影は薄いです。弓木ちゃんはメインボーカルを務める曲がありますが、スティール・ギターの玄さんがどのような役割をしているのか気になるところ。バランスをとるために「絶対に晴れて欲しい日」が玄さんのために作った曲に聴こえなくもないです。

 

他の楽器ではドラムの加工具合が電子音チックなので楠さんの顔も見えにくい。楠さんは表現豊かでグッとくるドラムを叩くのに残念。

 

ミックスのせいなのか楽器を演奏する姿が千ヶ崎さんコトリンゴさん以外あまり見えなかったです。ベースがかなりでかいしシンセベースっぽく聴こえる音作りなので他の生楽器の細かいニュアンスが感じ取れないのかも。もしかすると「The Great Journey」以外の曲がこのミックスと相性が良くない?(自分の好みの問題?ベースは太いけどどこか薄っぺらさを感じる)


個人的には新結成からライブで培ってきた生々しい音を全面に出したサウンドを期待していたのですが、これだけのプレイヤーがいるのにこの音の方向性なの!?と不思議でした。それは「EXTRA 11」で果たしたからでしょうか。

EXTRA11

EXTRA11

 

 

 

方向性がまだ明確ではないけどこれから新しい事が始まるワクワク感のあった「11」。

「ネオ」はモヤがかかっているような、手探りでどう進めようか迷っているように感じ取れました。色んな曲があって楽しい、というよりは実験的で何がしたいのかよく見えません。個々の曲の良さはあるけどアルバム一枚を通して聴いた時の爽快感がないというか。それぞれの曲は聴きたいと思うことがあっても実際に一度しかアルバムを通して聴く気にはなりませんでした。

 

メンバーそれぞれが忙しかったからかが原因かわかりませんがバラバラ感を感じます(というかKIRINJIで有名になったからと、大人達がこぞって弓木ちゃんを使いまわしすぎでしょ!)。

 


ニューアルバムがでて間もないのにこんなこと言うのもあれですが、「キリンジ」時代を一度まっさらにしたKIRINJIの「ネオ」が新たな基準点となりフィードバックを活かせる次作に期待。「キリンジ」のメソッドを使いつつ新しいメンバーで制作した「11」、新しいメンバーでどんなことができるのかに挑戦して制作した「ネオ」、次は力の抜けたバランスの良い一枚になるのではと思います。

 

公式が「レビューをレビュー」なんてことをやるので、KIRINJI自身が迷ってるのでしょうか。ミックスも今風のサウンドでリリースしたけど、どうよ?と問われているのか。


まだアルバムを聴いてそれほど時間も経っていないしライブも見ていないので答えはわかりません。現時点では「ネオ」を悩ましく聴いています。


ネガティブな感想になりましたが、とてもいい!と楽しく聴いている人もたくさんいます。自分がいいと思ったものを楽しんで聴くことが音楽ではなにより大事です。

 

 

ネオ(初回限定盤)(DVD付)

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