ガルパン劇場版サウンドトラック感想

劇場版を見た時にまず一番感動したのが序盤で流れるメインテーマ「戦車道行進曲！パンツァーフォー！」の迫り来るトリルと「ジャンッ！！」と響く残響音。

今まで聴いていたサウンドと違う！映画館で聴くとこんなにいい音で聴こえるの！？とびっくりしましたが、劇場版用に再録されているのです。

TVアニメ版のサントラを長らく聴いてた人は、迫力満点で豪華なサウンドにきっと涙するはず。

ガルパンの音楽担当、浜口史郎さんのインタビューによると、

TVアニメ版のサントラは吹奏楽を意識した編成でドライなサウンド（スタジオ感があります）、
劇場版はシンフォニックの方向性で、弦楽器を増やしたり、ホルンを入れたりとゴージャスなサウンドに仕上がっているとのこと。

・シンフォニック・バンド - Wikipedia

80名以上、あるいはしばしば100名以上を超える楽団員によって構成される大編成のバンドである。表情豊かなサウンドを奏でることが可能であり、奏者を増減させることによって多様なジャンルに対応し、また、幅広い楽曲を豊かに表現することができる。

（シンフォニックの「方向性」とのことなので、実際これだけ大人数なのかどうかはわかりませんが）

追記 *****

劇場版Blu-rayの特典で確認したところ、管楽器、弦楽器とパート別に集まってホールではなくスタジオ録音されていました。擬似オーケストラ。デジタルはすごい！

*****

気になった曲を紹介。ほぼ全曲、Amazonで視聴できます。

・Amazon.co.jp：『ガールズ&パンツァー』劇場版オリジナルサウンドトラック

劇場版・戦車道行進曲！パンツァーフォー！

ガルパンのメインテーマ曲。これを聴くためだけに劇場版サントラを買っても良いです。様々な楽器があっちからこっちから、音のかけあいが楽しいし抑揚もすごい。ぜひ、いいオーディオで、大音量で聴いてみてください。

Enter Enter MISSIONです！

TV版エンディング曲Enter Enter MISSIONのアレンジ。自分がポップスをオーケストラアレンジしようとしてもこんなかっこ良くは一生かかってもつくれない。やったことないですが。ドラマティックで力強く、希望に満ち溢れています。

（↑クラシックギターで弾いてみたので良かったら聴いてみてくだせぇ）

希望の光は絶対に消えません！

会長が帰ってきて集会を開いてみんなに試合を告げるシーンで流れています。劇中では少ししか流れないのですが、ぜひフルで聴いていただきたい曲。徐々に音数が増えて広がっていく感じと最後のキメが鳥肌モノです。

学園十色です！

各校のテーマメドレー。にやりとしてしまいます。
なんといってもフニクリ・フニクラが入ってくる所が、TV版では省略されたアンツィオもようやくみんなと一緒の舞台に上がってきた感が強まって泣ける。あのシーンが思い浮かびそうで思い出せない。劇場版Blu-rayが待ち遠しい。

おいらボコだぜ！

なんと水島努監督が作曲笑。監督が作曲出来るような人であれば、音楽全体についても明確に見えるものがきっと多くあったのでしょう。ガルパンの音楽が素晴らしい物に仕上がってるのは納得です。サッキヤルヴェン・ポルッカと続けて聴くとどことなく似ています。

Sakkijarven polkka

フィンランドの民謡、サッキヤルヴェン・ポルッカ。

劇中で継続高校のミカが演奏していたフィンランドの民族楽器「カンテレ」を使った曲。かつてフィンランドの都市であったサッキヤルヴェンは第二次世界大戦でソ連に占領され、今もなおロシアが支配続けているという切ないストーリーが。

・Säkkijärven Polkkaとは (サッキヤルヴェンポルッカとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

劇場版では継続高校のテーマとして流れます。継続高校のBT-42が活躍するシーンは圧巻でした。トゥータ！カンテレは、なんとも頼りない音やピッチが面白いですね。カンテレとアコーディオンが主体で他の曲に比べ、スタジオ感のあるソリッドなサウンド。

カンテレで演奏するには速すぎるので普通はアコーディオンで演奏されるようです。

雪の進軍

TV版ではプラウダ戦の偵察時に秋山殿とエルヴィンが歌っていた「雪の進軍氷を踏んで〜」のあの曲です。OVA「スノー・ウォー」では秋山殿とエルヴィンの偵察の裏側とともにフルで歌を聴くことができます。
劇場版では知波単学園のテーマとして使われています。西隊長の「吶喊！」とともにチハが坂を登り上げ雪の進軍が流れてきた時なんか「わぁ～～」ってなりました。勇ましくカッコイイ！（すぐやられるけど）

アメリカ野砲隊マーチ

ズッタッター、ズッタッター、ズッタッタカタカタンカンカン！
ｷﾀ～！サンダース大学付属高校といえばこの曲。C-5Mスーパーギャラクシーがやってくるシーンで流れます。TV版からは中間部分が静かに、ストーリー性を感じるアレンジに変わっています。表と裏拍のアクセントが入れ替わるのがおもしろいですね。

When Johnny Comes Marching Home

ジョニーが凱旋するとき。恐らくTV版一話で秋山殿が飯盒を用意しながら鼻歌を口ずさんでた曲です。芸が細かい！T-28の登場シーンで流れます。

パンツァー・リート

TV版ではわりとポップに作られていたこの曲もCDの最後にふさわしい壮大なアレンジに。アレンジの仕方でこんなにも味方感がでるんですね。

しかし、この曲は劇中で使われていません。噂では「学園十色です！」中にある「カチューシャ」が著作権の関係で流せない国があるので、あのシーンで代わりにパンツァーリートが使われるのでは？とのこと。曲の尺がほぼ同じなので濃厚っぽいです。

島田流です！

クラリネットの暖かいメロディとウッドベースのリズム、マンドリン、アコーディオン？など個人的に好きな楽器編成のノスタルジックな曲。劇場版をじっくり見て「島田流です！」も使われていないことに気づきました。 OVA「愛里寿・ウォー」で流れています。

ガルパン劇場版サントラをとても良い文章でレビューされている方がいたので、こちらおすすめです。音楽理論や知識もあわせて、すごいなぁと。

head.hatenadiary.jp

さいごに

ガルパン劇場版サントラには各校のテーマとなる曲がすべて再録されているわけではありません。プラウダ高校の「カチューシャ」、黒森峰女学園の「エーリカ」、聖グロの「ブリティッシュ・グレナディアーズ」などなど、シンフォニック編成でフルで聴きたかった曲はたくさんあります。しかし、劇中で全ての曲が使われるわけではないので仕方ないですね。

ですので、ガルパンの音楽を全体的に網羅したい方は、そういった部分をカバーしてるTV版サントラがオススメです（カチューシャは歌付きもあるしね！）。

TVアニメ『ガールズ&パンツァー』オリジナルサウンドトラック

アーティスト: TVサントラ,カチューシャ(金元寿子),佐咲紗花,ChouCho,あんこうチーム(西住みほ(渕上舞)、武部沙織(茅野愛衣)、五十鈴華(尾崎真実)、秋山優花里(中上育実)、冷泉麻子(井口裕香)),ノンナ(上坂すみれ),吉田玲子,こだまさおり,畑亜貴,伊藤真澄,ISAKOVSKIJ MIKHAIL VASIEVICH
出版社/メーカー: ランティス
発売日: 2012/12/26
メディア: CD
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TV版はサウンドの作り方が気軽に聴ける仕上がりなのでTV版はTV版の良さがあります。劇場版で感動した人はもちろん劇場版のサントラでOKです。双方全然違うので、両方買っても損することはありません。買いましょう、両方。

ちなみにOVA「これが本当のアンツィオ戦です！」で流れている音楽はCDになっていないのか？と探してみると、ドラマCDに付いてるみたいです。秋山殿の自作映像で流れる少しマヌケな感じの音楽が好きなんですよね。財布の紐が緩みすぎてやばい。

TVアニメ『ガールズ&パンツァー』ドラマCD3 あんこうチーム訪問します!

アーティスト: ドラマ,西住みほ(渕上舞),武部沙織(茅野愛衣),五十鈴華(尾崎真実),秋山優花里(中上育実),冷泉麻子(井口裕香),ダージリン(喜多村英梨),アッサム(明坂聡美),オレンジペコ(石原舞),ケイ(川澄綾子),ナオミ(伊瀬茉莉也)
出版社/メーカー: ランティス
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